まさか、自分が交通事故に遭うとは思いもしなかった

まっすぐな大通りを時速40キロメートルほどで走らせていたら、左の小道から勢いよく走ってきた軽自動車に自動車の真横から衝突された。こちらが優先道路であったにもかかわらず、衝突した軽自動車は一時停止を怠っていた。

その日はお正月で、親戚が自宅に集まっていたので、お寿司屋さんで持ち帰り用の寿司を買って帰るところだった。高校受験を控えた親戚の子供を車の後部座席に乗せ、寿司をもってもらっていた。自宅が見えてきて、もうあと1分ほどで自宅につくような本当に目と鼻と先、左の小道から一時停止もせず勢いよく走ってきた軽自動車に自動車の真横から衝突された。衝突された勢いで自動車は回転し、両側の塀を壊しながら道を塞ぐ状態になって止まった。大きな音に驚いたのか、近所の人が駆けつけてきた。ぶつかったときの衝撃は大きく、フロントガラスから見える景色がぐるぐると変わっていったが当初何が起きたかよくわかっていなかった。立てつけの悪くなったドアからなんとか外に出て惨状を目の当たりにし、やっと何が起きたのか理解した。

まずは自分が車外にでるまで、一瞬なにが起きたかわからずぼーっとしてしまった。とにかく親戚の子供の無事を確認し、自分が車外に出てから子供も外に出した。足を打撲していたようで血が出ていたことや、首に痛みを感じると言っていたので救急車を要請した。車をぶつけてきたのは若い女性で、近くに車を止めてやってきた。自分は一時停止したと言い張っていたが、まず一時停止していたらありえないほどの速度でぶつかってきたこと、親戚の子供がぶつかってきたところを目撃していたこともあり、女性に親を呼ばせ、話し合いとなった。女性の母親は全面的に非を認め、最終的には女性も一時停止しなかったことを認めた。塀を壊してしまった道路沿いのお宅は良心的な方たちで、近所ということもあり、とりあえず病院に急ぐよう促してくれた。

その後はぶつけられた女性や壊してしまった塀のお宅など関係者とのやりとりは保険会社に一任するところとなった。とはいっても、塀を壊したお宅はご近所でもあるので菓子折り程度の謝罪は別途個人的には伺った。けがは入院などの必要はなかったが、親戚の子供も私も通院することとなってしまった。救急車で運ばれた病院は市内の病院ではなく大病院で、家から車で30分ほどかかるので、近所の病院への通院にしてもらった。親戚の子供の通院費に関しては一時保障はできないと保険会社から言われたが、結局全額補償してもらうことができ、完治にいたった。親戚の子供が高校受験前であったことから、勉強時間が削られ大変な思いをしたが、弁護士を立てて損害賠償請求することなどはなかった。

依頼しませんでした。

たとえ優先道路であっても、細い脇道から猛スピードで突っ込んでくるのではないかとビクビクしながら走らせるようになった。自宅近くの道路なので何度も走らせている道だが、それでもヒヤッとする時はある。本当にタイミングが悪かったとあきらめることもできるが、たとえいつも走らせている道路だからこそ気を緩めず、自分以外の運転手のマナーを信用しないようになった。また、事故後はもしここで突っ込まれたら、とかのもしも今事故にあったらという想像をよく働かせるようになった。後部座席に乗せるのが誰であろうと、自分の運転であればもしもの時を考えて必ずシートベルトを締めさせるようにした。まさか自分には起こらないだろう、と思っていたものが、起こるかもしれない、との危機感へと変わった。

保険会社に関しては車内に積んでおけば書類を探したりせず済んで楽だったのにと思う。とはいえ、保険会社の電話番号の控えは車内に置いてあったので、そのあたりはスムーズに事を運ぶことができてよかった。また、応急処置用に包帯などの止血道具を積んでおいてもよかったかと思う。打撲した箇所からの出血が多く、洋服についてしまって、服の汚れも気になるが、状況が状況なのでそれ以上に雑菌が入らないよう衛生状態を保てるような道具をそろえておけばよかったと後悔することとなった。後部座席に座らせていた子供にはシートベルトを締めさせていたので、本当によかったと思う。特に他人を乗せるときにこそ絶対にシートベルトはさせなければならないと思った。