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仮渡金を確実に受け取るために念書の作成が必要です

自賠責保険は、被害者を救済するために、被害者から直接、保険会社に対して保険金を請求する手続きをする制度が認められています。

しかし、実際に受け取るべき保険金のトータルの金額が確定する前であっても、仮渡金の請求をすることは可能であり、その請求にあたっては、念書などの書類を提出する必要があります。

自賠責保険の被害者請求とは

自賠責保険は、わが国の高度成長がはじまる時期に、交通戦争ともいうほどに交通事故が多発しているにもかかわらず、ケガや後遺障害などといった被害者の損害を十分に救済する社会的なしくみがなかったことから、法律によって設けられた制度です。

このように、自賠責保険は被害者の救済を第一にしていることから、交通事故の加害者が損害賠償に応じなかったり、加害者との示談が長引いたりする場合にそなえて、被害者が保険会社に保険金を請求する制度が認められています。

これが「被害者請求」と呼ばれるものですが、請求書に加えて、病院での診療報酬明細書や会社の休業損害証明書などといった、具体的にどれだけの損害が発生したのかを証明する書類の提出が求められます。

そのため、実際に請求ができるのは、ケガが完治して仕事にも出られるようになり、これらの書類が問題なく揃えられるようになった段階となります。

本請求に先立つ仮渡金の制度

被害金額が確定した段階で行う「本請求」は、いくら被害者のほうからの請求が認められるとはいっても、事故発生からかなりの日数が経過してからとなってしまいます。

その間にも、入院代などを途中で病院に支払ったり、仕事がないなかで当面の生活費をまかなったりしなければならず、被害者にとってはたいへん負担となります。

そこで、自賠責保険では「仮渡金」という制度が別に認められています。

これは、本請求に先立って、保険会社からいくらかのお金を受け取ることができるという制度であり、被害者からのみ請求ができるものです。

仮渡金の請求に必要な念書

この仮渡金の請求にあたっても、いくつかの書類を添付することが必要になりますが、基本的には本請求の場合よりも、種類や内容が簡略化されていますし、いったん提出してしまえば、本請求ではあらためて提出する必要もありません。

ただし、仮渡金の請求のときだけ作成が必要な書類もあり、それは仮渡金の受け取りに関する「念書」と呼ばれるものです。

仮渡金として受け取って金額は、本請求においてはトータルの保険金の金額から差し引かれることになりますが、そうしたことについて異存がないことを、念書というかたちで表明しておくわけです。

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