交通事故における損害賠償金:休業損害
- 2016.01.27
- 重要知識
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今回は交通事故に遭った際の休業損害についてご説明します。
交通事故損害賠償金の内訳と休業損害
交通事故により負傷してしまった場合には、加害者が被害者に対して損害賠償金を支払う義務が生じます。
その内訳としては、怪我の治療費(完治又は症状固定までの全額)、傷害に対する慰謝料、通院費、後遺障害が認定された場合には後遺障害慰謝料とその逸失利益などがあります。
この交通事故賠償金には、怪我の治療のために入院または通院をした際に仕事を休んだことにより、収入に減少がある場合の『休業損害』の補償も含まれます。
勤務会社が証明してくれる給与所得者の休業損害
通院費や傷害慰謝料、後遺障害に対する補償金については主に加害者が加入している任意保険会社の担当者が計算、算出しますが、休業損害については、給与所得者であれば勤務している会社や事業所が「休業証明書」を発行することにより、これを証明します。
休業証明書では、休業した日数を記載し、実際にどれだけの収入減が発生したのかを会社側が記載するものです。この休業証明書は毎月の給与だけでなく、賞与(ボーナス)の減額が発生した場合のものもあります。
ですから、発生した収入減については漏れなく補償されることとなるのです。
また、治療のために有給休暇を使用した場合でも、「有給休暇の買い上げ」という考え方に基づき、有給休暇使用分は金銭で補償されることになります。
ですから、給与所得者の場合の休業補償は、現実の収入減が比較的簡単に算出されるのです。
これは正社員以外のアルバイトやパートなどについても当てはまります。
家事従事者の休業損害
この休業損害で問題となるのが家事従事者(専業主婦)に対しての休業損害です。
家事従事者についても、受傷により家事労働に従事出来なかった場合に、その休業補償が認められています。
しかし、自賠責保険や任意保険会社が採用する自賠責基準の計算方法ですと、1日5400円程度の補償額しか認めていないケースがほとんどです。中には、専業主婦で就労していないことを理由に休業補償を認めていない任意保険会社の担当者も存在するのです。
しかし、もう一つの交通事故賠償金計算方法である『弁護士基準の計算方法』では、賃金センサスのおける「女性労働者の全年齢平均の賃金額」つまり全女性の全国平均の収入額を基礎収入として1日辺りの収入を算出し、これを休業補償金の計算に採用することが認められています。
例えば、平成23年度の賃金センサスですと、女性の学歴計による年収額が355万9000円であり、これを1日辺りの金額に換算すると9886円の収入となります。
このように自賠責基準と弁護士基準では、家事従事者の基礎収入の考え方が大きく異なってくるのです。
もし、専業主婦の方が交通事故により負傷した際には、加害者側の任意保険会社との交渉に、この弁護士基準の計算方法による家事従事者の休業損害算出額を用いたほうが得策です。
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