交通事故における健康保険
- 2016.01.22
- 保険について
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日本は「国民皆保険制度」で、誰でも職業別に何らかの公的医療保険に加入していますから、病院で診療を受けた時は、自分の健康保険証を提出すれば、本人の医療費の負担は原則3割(70歳以上は収入により1割~3割)で済みます。
そして残りの医療費はそれぞれの加入する市町村や健康保険組合などの公的医療保険からレセプト(診療報酬明細書)により病院に支払われることになっています。
ただし、この健康保険の給付対象にならないケースが3つあります。
今回はこういったケースについてご説明します。
健康保険の給付対象にならないケースがある
全額が国の労災保険から支払われる業務上の災害による負傷など、いわゆる労災は自己負担は一切ありませんし、公的医療保険などの負担もありません。
しかし、無免許運転や飲酒運転などで起こした「法令違反」による負傷については、自業自得としてその医療費の全額を負担します。
また、事件や事故で自分以外の誰かに傷つけられた場合つまり「第三者の行為」によって負傷させられたケースは、保険証が使えず、医療費の全額を一旦自己負担しなければなりません。
交通事故によるケガは保険がきかない?
交通事故によるケガは、「第三者の行為」によって負傷させられたケースにあたるとして、病院の支払窓口で健康保険証の使用を拒否され、かかった医療費の全額を自由診療費として請求される場合があります。
「交通事故は健康保険が使えない」との認識がまるで都市伝説のように医療従事者、特に会計担当者にはびこっているのです。
これは、交通事故は加害者側の自動車賠償責任保険会社が払うのだから、医療費の安い健康保険ではなく、自由診療で請求したいという病院側の思惑があるからです。
交通事故の治療費は誰が負担する?
交通事故によって負った被害者の治療費は加害者側が負担すべきものですが、治療期間が長引く場合があることや申請手続きに時間がかかるため、被害者は一旦、健康保険証を使った3割負担の治療を受けます。
但し、医療費は、被害者本人や加入している公的医療保険などが負担するのではなく、加害者が支払うべき治療費を被害者本人と公的医療保険が一旦立て替えて、最終的には加害者や加害者が加入している自動車賠償責任保険が全ての医療費を負担することになります。
従って交通事故によって負った被害者の治療費に健康保険証は使えるのです。
ただ、「第三者行為による傷病届」などの書類を社会保険事務所に提出する必要があります。
また、病院によっては加害者の保険会社に請求するシステムがないために、一旦被害者が治療費を立て替えざるを得ない場合もあります。
最終的に治療費は加害者側が支払う事になるとはいえ、特に最初の治療費については被害者側が立て替えて支払うことが必要な場合が多く、その時には領収書や明細などの書類は必ず大切に保管しておくようにしてください。
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