実況見分調書：交通事故状況に関する書類

交通事故が起こったら、まず怪我を負った人がいる場合は救護措置をとり、後続の車に指示を送るなどといった危険防止措置をとり、警察に通報します。
これらは道路交通法で定めている運転者の義務なので、交通事故に遭遇した際には必ず警察に通報します。

実況見分調書とは

通報を受け警察が実況見分を行います。
交通事故が起きた状況を書類におこすために、事故現場を写真に撮ったり、道路に残るブレーキ痕を記録したり、交通事故の目撃者や当事者に聞き取りをします。

これらの実況見分をベースに、実況見分調書が作られます。交通事故を処理するのに必要な書類は実況見分調書の他にも色々あります。

賠償請求のためには交通事故証明書だけでは不十分

交通事故証明書は、自動車安全運転センターが発行する、交通事故があった事実を警察が確認した事を証明するものです。

あくまでも事実を確認したことの証明なので、事故の原因や発生した損害の程度、過失があったかどうかを証明するものではないので注意が必要です。
被害者が加害者に賠償請求をするにはこれだけだと不十分です。

実況見分調書は、人身事故が発生したときに発行されるもので、刑事記録としての性格を持っているものとなります。
刑事裁判において、より一層重要になってきます。

事故の詳細な状況が記録されているため、示談の交渉をするときに、加害者と被害者の過失割合を決めるためにも必要な資料となっています。
過失割合を決定する手がかりになるので、実況見分調書を警察が作成するときには必ず立ち会う必要があります。

実況見分調書が正しく記録されているかどうかの確認も重要になります。
警察が記録するものですが、人間が書く限り間違いがないとは言い切れないです。

事故発生状況報告書は賠償金額の判断において重要

事故発生状況報告書は、詳しく事故の状況を記録しているので、交通事故証明書とは違い、事故の原因や損害の程度、過失があるかどうかを判断するのに必要な基本的な資料となります。

事故の被害者が自賠責保険会社や加害者が任意で加入している保険会社に損害賠償金として保険金を請求するために必要な書類でもあります。

専用の用紙に書式に従って書くのですが、分かる範囲でなるべく詳しく書いた方が保険金の請求に有利に働きますし、保険会社が受け取る印象も変わってきます。

事故で怪我を負い治療を受けたときに発行される診断書等は、保険会社に保険金を請求するために必要になります。
病院で診察を受けたときに施された治療の内容や入院や通院をした事実や状況を証明することができる資料になります。