交通事故で発生した外傷性くも膜下出血【症状と予後について】
- 2016.08.14
- 後遺障害について
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交通事故などで脳に外部からの衝撃でダメージを受けることを、全般に外傷性脳損傷と言います。
その中に「外傷性くも膜下出血」がありますが、この損傷は他の症状とは少し異なっています。
ここでは、交通事故によって引き起こされる外傷性くも膜下出血の予後について説明していきます。
外傷性くも膜下出血とは
くも膜下出血は脳動脈瘤が破裂することで引き起こされる病気ですが、交通事故が原因の外傷性のものは、頭部へ強い衝撃を受けることにより、くも膜と軟膜の間にあるくも膜下腔が出血した状態を指します。
多くの場合、強い衝撃を受けることで生じた脳挫傷での出血が、徐々にくも膜下腔へと広がっていくことで発症すると考えられています。
脳の表面は3層の髄膜によって覆われており、内部から1層目が軟膜、2層目がくも膜、3層目に硬膜という順になっています。
くも膜と軟膜の間には髄液が循環しており、その部分がくも膜下腔です。
外傷性くも膜下出血の症状とは
外傷性のくも膜下出血は、衝撃の重症度や出血量によって症状の現れ方が異なってきます。
症状の出始めでは、ハンマーなどの鈍器で頭を強く殴られたようなはげしい頭痛が起こるのが一般的です。
その症状のほかに吐き気や嘔吐などを伴うことも少なくありません。
症状が軽度では軽い頭痛程度で済むこともありますが、重症化すると意識障害やこん睡状態などに陥ることもあるため、交通事故で頭に強い衝撃を受けた場合には、特に注意が必要となります。
このくも膜下出血は、脳挫傷が原因の予後に起こることが多いため、脳挫傷から発展した外傷性のくも膜下出血であるという診断が付きにくいことも少なくありません。
外傷性くも膜下出血の予後について
交通事故によって引き起こされる外傷性くも膜下出血では、同時に直接的に受けた脳損傷(直接損傷)と、間接的に受ける脳損傷(対外損傷)の2つも引き起こす可能性があり、交通事故の場合には前頭葉への障害が起きやすいと言われています。
間接的に起こる対外損傷では、広範囲で脳が破壊される挫滅を起こす可能性があります。
挫滅が起こると、症状が治まった後も高次機能障害として後遺症が残ってしまう確率が高くなります。
高次機能障害としては、意識障害や体の麻痺やてんかんなど様々な症状が起きてきます。
また、記憶にも障害が残ることが多く、見当識や記憶障害、健忘、記憶低下などを伴うこともあります。
そのため、今までとは全く違った人物になってしまったようにも感じます。
しかし、後遺症と確定するまでには約1年~2年かかるとされているので、その間しっかりとリハビリを行うことで、徐々に回復する可能性も十分にあります。
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