万が一の交通事故に備えて:人身事故の場合の刑事責任
- 2016.01.09
- 重要知識
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今回は人身事故を起こした場合の刑事責任について説明します。
交通事故加害者が負うべき三つの責任
交通事故を発生させた加害者となってしまった場合には、被害者に対して被害を及ぼしてしまったことに対して何らかの責任を果たしていかなくてはなりません。
この責任としては大別すると「懲役・禁固・罰金などの刑事処分を負う責任」、「免許証の累積点数に対する効力の停止・取り消しなどの行政処分を負う責任」、「被害者に対する損害補償を行う民事処分上の責任」の三つに分類されるでしょう。
人身事故を起こした場合に加害者がまず考えるのは、ほとんどの場合「刑事責任の有無」についてです。
不幸にも交通事故を起こしてしまった、加害者となってしまった自分に対してどういった処分が下るのか、果たしてそれは懲役になるのか罰金になるのかなど、気になることは尽きないはずです。
では人身事故の加害者となってしまった場合にはどういった刑事責任に問われることになるのでしょうか。
人身事故を起こした時の刑事責任
では実際にどうした刑事責任が生じるのかというと、基本的にはその罪に応じて決まることになります。
例えば事故が完全に加害者の過失だったが被害者は2~3回の通院で済んだというような極めて軽い事故の場合、原則として不起訴になります。
もちろん本人が明らかに反省していない、補償をする姿勢が無い、被害者が厳重な処罰を望んでいるなどの事情があれば起訴されることもあるでしょうが、そうした一部例外を除けば不起訴となって行政処分のみで終わる可能性が高いでしょう。
逆に最も重いのが完全に加害者に過失があり、かつ相手が死亡している場合です。
この場合初犯であれば執行猶予になる可能性もありますが、懲役7年以下と罰金50万円以下の処罰が下ることになります。
もしこれが飲酒運転による死亡事故であれば最長10年の懲役にもなり得ますので、極めて重い処罰となるでしょう。
状況に応じての判断になりますが、基本的に交通事故においては加害者と被害者双方の状況を総合的に見て処罰が決まることになります。
刑事責任が生じた際の保険制度
さて、最後にこの刑事責任が生じた際の保険制度について見てみましょう。
まず不慮の交通事故に備えるのが自動車保険の役割なのですから、加害者に何らかの特別な事情が無い限りは保険を適用させることが出来ます。
自身の不注意で事故が起きたなどの場合であれば、保険が適用されないことはあまりないでしょう。
ただしこれが先ほど少し触れた「飲酒運転」であれば話は別です。
これは加入者が安全運転の義務を怠ったわけですから被害者に対してだけ補償が行われて終わりでしょう。
最悪の場合、任意保険そのものが「危険運転加害者に対して適用はしない」と判断して被害者の救済すらしない可能性もあります。
交通事故は起こせば一生の枷になることもある恐ろしいことです。
人身事故ともなればその枷も相応に重くなりますので、普段から運転には注意をしましょう。
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