交通事故の過失相殺について
- 2016.03.12
- 重要知識
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発生してしまった交通事故の処理をしていく場合、そこで必ず必要になるのが「どちらに原因があったのか」ということです。
特に交通事故によって何らかの損害が出てきてしまったという場合には、原因を生みだしてしまったほうがその損害を回復するためにお金を支払うことになります。
この「どちらに原因があったのか」ということをわかりやすくするために用いられる考え方が「過失相殺」なのです。
今回はこの過失相殺の考え方についてピックアップしていきます。
「過失相殺」の基本
まず基本としてそもそもこれがどのように使われるのかということをチェックしましょう。
ほとんどの場合は交通事故による被害を100として、そのうちどれくらいの責任が加害者・被害者に発生するかを見て割合を決めていきます。
例えば被害者が赤信号で停車していたというところにわき見運転をしていた加害者が衝突したというのであれば、これは加害者に100の過失があるとして判断される可能性が高いです。
ただしここで被害者の車のブレーキランプが切れていたりしたのであれば「被害者は公道走行における車両の安全性を確保していなかった」ということで少々の責任が負わされることもあるでしょう。
賠償金には過失相殺が関係してくる
この相殺を見ていくうえで特に重要なのが「過失の有無によって賠償金の負担が異なる」ということです。
例えば先ほどのように加害者がわき見運転をしていたため加害者100、被害者0の割合で過失があったと決定された場合、加害者は被害者に対して本来支払うべき賠償金の全額を支払う必要が出てきます。
ですが被害者の車のブレーキランプが切れていたなどの事情によって加害者90、被害者10の割合となったのであれば、加害者は本来支払うべき賠償金の90%を支払えば良いということになるのです。
被害者は受け取れる賠償金が減る、加害者は支払うべき賠償金が減るということでお互いに利害が対立しますから、ここはしっかりと決めなくてはなりません。
被害者でも過失相殺で不利になることがある
さて、最後に補足としてチェックしておきたいのが「状況によっては過失相殺の結果、被害者が不利になる可能性がある」ということです。
というのも現在の自賠法において、交通事故は双方が賠償の義務を負うとして規定しているからです。
そのため先ほどの加害者90、被害者10の割合の場合、被害者は10だから何も支払わなくてよいということはなりません。
実はこの場合、被害者は加害者が負った損害の10%を賠償しなくてはならないのです。そのため加害者の高級車が壊れて修理に100万円が必要だった場合、被害者は100万円×10%=10万円の賠償を負うことになります。
実際の事故現場では過失が100になるケースがそこまで多いわけでもありませんから、ドライバーは必ず保険に加入することが必要なのです。
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