交通事故の厳罰化の流れと結果責任について【結果責任の考え方が非常に重要】
- 2016.07.02
- 重要知識
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交通事故はかつてより全国各地で発生しているものでした。
過去のピークと比べると死亡交通事故の数は激減しているとは言え、それでも毎年多くの人が命を落としているのが事実です。
交通事故に対して厳しくなる社会の目
中には飲酒や危険ドラッグなど本来起きてはならないような大事故が起きていることもあり、社会の目は年々交通事故に対して厳しいものにになってきています。
そうした社会的な変化は実際の法律の場にも出てきており、ここ最近では交通事故に対して厳罰化の流れが出来ているのです。
ここではそれによってどういった変化があったのかということについてチェックしていきましょう。
交通事故に対する厳罰化の流れ
まずは「厳罰化」というのがどう変わったのかということについてですが、このことを端的に示しているのが「自動車運転死傷行為等処罰法」の制定です。
これまで死亡交通事故に対しては業務上過失致死傷罪という罪が適用されてきたのですが、これは簡単に言ってしまうと「加害者に悪意はなく不幸な事故によって人を死傷させてしまった」ということに対して適用される罪でした。
そのため人が死んでいることを考えると罰則も非常に軽く、5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金というものだったのです。
このことを受けて自動車運転死傷行為等処罰法では「危険運転によって人を致傷させた場合は15年以下の懲役、致死の場合は20年以下の懲役」といった重い罰則が設けられることになったのです。
また無免許運転の場合はさらに罰則が重くなるなどのように変わっており、一部から言われる「危険運転で起きた事故なら死刑でいい」といった状態にはなっていないもののかなり罰則は重くなったのです。
罰則として求められる「結果責任」の考え方
ただこうした厳罰化の流れがあるといっても、国民の大半は事故に対する処罰はまだ軽いと考えているというのは否めません。
そこでより厳罰化を望むということで言われるようになってきたのが「結果責任」の考え方です。結果責任とは事故の因果関係に問わず、起きた結果に対してのみ責任を取るという考え方のことです。
例えば深夜の高速道路を歩行者が歩いていて事故が起きた場合、原因は深夜の高速道路を歩いていた歩行者にあっても「運転手が人を轢いた」という結果を見て罪を決めるわけです。こうした考え方が法律に適用されればさらなる厳罰化は間違いなく実現されることでしょう。
ただこの高速道路の事例と危険運転で起きた事故の事例は全く別物ですから、あらゆる事故を同列に罰するのは正しいのかという議論を十分にすることは必要です。
結果責任の考え方が日本という国において正しいとされるのかどうか、これについてはまだしばらくの議論が必要になるでしょう。
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