人身事故の交通事故について【業務上過失傷害罪とは】
- 2016.07.31
- 重要知識
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交通事故の加害者、特に人身事故を起こした場合、様々な刑罰に問われることになります。
その中に、業務上過失傷害罪というものがあります。
業務上過失傷害罪でいうところの業務とは、仕事上でのことではなく、社会生活上の地位に基づき反復継続し行うもので、生命などに危険を及ぼすものとされています。
現在は自動車運転過失致死傷罪にほとんど移行されていますが、以前は業務上過失傷害罪などが主に適用されていたのです。
業務上過失傷害罪が成立するには
こうした罪が成立するには、それがなければ傷害を負うことがなかったという因果関係が必要となります。
交通事故におけるケースとしては、その直前に別の車が人身事故を起こしてしまい、その直後にいた自分の車が人身事故で被害を受けた人物にぶつかってしまった場合などです。
この場合、直前でのダメージにより、傷を負ったり、最悪の場合亡くなることはあっても、その直後の事故で致命傷となるのは考えにくく、事故の回避も大変困難なことから、この場合には罪として成立しないことが考えられます。
もちろん、その後に適切な救護をしないと、別の罪に問われる危険はあり得るので注意が必要です。
業務上過失傷害罪が最近適用されない理由
最近になって、業務上過失傷害罪などの適用がなされなくなってきています。
これは2007年に自動車運転過失致死傷罪が新設されたためで、これにより刑罰の上限が引き上げられました。
飲酒運転で仮に死亡事故を起こしても業務上過失致死罪で逮捕起訴をされ、懲役も最長5年というあまりに軽い罪で、世論が厳罰化を求める流れに発展しました。
その結果、今まで業務上過失致死傷罪で扱っていたものを自動車運転過失致死傷罪、危険運転致死傷罪を新設して、それで処罰する流れになりました。
自動車運転過失致死傷罪は最長で懲役7年、無免許なら10年、危険運転致死罪では1年以上20年以下の懲役が科されることになっています。
交通事故での適用は今後ほとんどなくなる
業務上過失致死傷罪に関して、医療過誤のケースなどで適用されることはあるにしても交通事故に関して適用されることはゼロに近づき、自動車運転過失致死傷罪をメインに適用していく流れになります。
そして、人身事故を起こした加害者は免許取り消しなどの行政処分、刑事処分、そして民事上の責任が問われていくことになり、その厳罰化、重い責任を一生かけて償っていかなければなりません。
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